2025/12/23
空間の価値を、どう伝えるか|2025年の建築とアクアクリエイティブラボの取り組み

2025年も残すところわずかとなりました。
本年もアクアクリエイティブラボをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
2025年は、大阪・関西万博の開催、インバウンド需要の過去最高更新、建設投資額の堅調な推移など、空間づくりへの期待が一層高まった一年でした。
一方で、建設業界における人手不足の深刻化やDX推進の加速など、業界全体が大きな転換点を迎えた年でもあります。
また、AI・VR・BIMいったデジタル技術が実務の現場に浸透し、「空間をどのように伝え、共有するか」がプロジェクトの成否を左右する重要な要素となりました。
アクアクリエイティブラボにとっても、こうした時代の流れの中で、空間表現とコミュニケーションのあり方を見つめ直し、取り組みの幅を広げた一年となりました。
本記事では、2025年を象徴する国内の主要建築物の紹介と、アクアクリエイティブラボが本年展開した3つの新しいサービスについてご報告いたします。
2025年に完成した国内主要建築物
2025年は、大阪・関西万博の開催をはじめ、インバウンド需要の高まりにより、「人が集まり、体験する空間」への注目が高まった年でした。
日本政府観光局(JNTO)の推計によると、訪日外国人数は9月時点で3,000万人を突破し、通年では4,000万人超が見込まれるなど、過去最高を更新。
それに伴う観光・購買需要の拡大により、全国各地で新たな商業施設が次々と誕生しています。ここでは、2025年を象徴する建築物を、万博関連施設と全国の商業施設を中心に紹介します。

大阪・関西万博関連
会場全体を包み込む大屋根リングは、日本の木造建築技術とスケール感を世界に示す象徴的な建築です。人々の動線や体験を一体化する構造が、イベント建築の持つ「場の力」を強く印象づけました。
日本の文化・技術・サステナビリティを発信する拠点として設計された日本館。建築そのものがメッセージとなる空間構成が特徴で、展示と建築が一体となった設計は、今後の公共空間づくりにも示唆を与えています。
世界的IPを活用した本パビリオンは、エンターテインメント性と未来社会像を融合させた空間です。体験型コンテンツと建築の関係性が来場者の印象を大きく左右する時代を象徴しています。

商業施設
広域品川圏の中核として高輪ゲートウェイ駅に直結した形で開発。TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE、文化創造棟、THE LINKPILLAR1 NORTH/SOUTH、THE LINKPILLAR 2(2026年開業予定) の4つの地区、5つの建築物からなり、都心最大級の規模を規模の商業施設となります。
再開発が進む金町エリアに誕生した商業施設。地域住民の日常に寄り添う設計で、街に開かれた存在として機能しています。
IGアリーナ(IG Arena)は、B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」の新しいホームアリーナです。名古屋のシンボルとなる名古屋城を望むロケーションに、最大収容人数17,000人を誇り、大型ライブや国際イベントの開催も可能な国内最大級の大型多目的アリーナとして建設されました。
愛知県初の本格的アウトレットモールとして開業。広域集客を見据え、買い物にとどまらない滞在型・体験型施設として、食関連店舗45店舗で国内有数の規模を誇ります。
これらの建築に共通するのは、「建てる」こと以上に「どのように体験されるか」が重視されている点だと言えるでしょう。
ちなみに体験型施設の一例として、BANDAI SPIRITS 様が静岡県に新設したプラモデル専用の次世代型工場「BANDAI HOBBY CENTER PDII」があります。アクアクリエイティブラボは、本施設のコンセプトを可視化するプロモーション映像の企画・制作を担当しました。

詳細はこちら▶
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【BANDAI HOBBY CENTER PDII】─お客様の見せたいを最大化する「Movation Movie(モヴェイション・ムービー)」事例紹介
株式会社BANDAI SPIRITS様のご依頼により、プラモデル専用の次世代型工場「BANDAI HOBBY CENTER PDII(以下、PDII)」のプロモーション映像「Movation Movi
2025.07.28
2025年のアクアクリエイティブラボの取り組み
2025年、アクアクリエイティブラボでは、空間表現とコミュニケーションの可能性を広げるため、以下の取り組みを進めてきました。
戦略的プロモーション映像制作『Movation Movie』の本格展開

複雑な施設や先進的な製品の価値を「魅せる・わかる」形で伝える、戦略的プロモーション映像制作『Movation Movie』を本格展開しました。
CG・アニメーション・ナレーションを組み合わせ、構造や仕様を視覚的に分かりやすく表現。セールスポイントを的確に強調し、商談やWebにおける訴求力を高めます。
制作した映像は長期的な資産として、さまざまな場面で二次利用が可能です。
企画から撮影、編集、MA(音声仕上げ)までをワンストップで提供。
さらに展示会出展時のブース設計や空間演出を含むトータルなプロモーション支援も行っています。
詳細はこちら▶ 魅せる・わかる──お客様の見せたいを最大化する「Movation Movie(モヴェイション・ムービー)」
Shapesparkを活用した『メタバース会議』の提供開始

空間提案における「伝わらなさ」を解消する新たなソリューションとして、Shapesparkを活用した『メタバース会議』の提供を開始しました。
ブラウザ上に再現した3D空間に複数人が同時参加し、空間を歩きながら広さや動線を体感的に確認可能。マテリアルピッカーやスイッチオブジェクト機能により、その場で素材や家具を切り替えながら比較検討もできます。
施主へのプレゼンテーションや遠隔地の関係者との打ち合わせ、プロジェクト初期のアイデア共有など、幅広い場面で意思決定を加速します。
詳細はこちら▶
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図面を超えて、体験へ。アクアクリエイティブラボとShapespark で実現するメタバース会議
空間提案の「伝わらなさ」に悩んだことはありませんか? 「イメージは何となくわかるけど、実際の広さや動線が掴めない」「見せてもらったけれど、具体的なコメントできなかった」 図面やパース、動画は従来の提案
2025.08.27
3次元CAD「Rhino®」の導入による表現力の向上

建築ビジュアライゼーションの表現力と制作フローの刷新を目的に、3次元CAD『Rhino®(ライノセラス)』の導入を開始しました。
近年増加している複雑な曲面や有機的デザインの案件、また「Rhino®形式でデータ連携したい」というお客様のご要望に応えるための体制強化です。
Rhino®は形状を数学的に定義するNURBSモデリングに強みを持ち、高精度な曲面生成と、数値による柔軟な設計変更の対応を実現。
設計データとの直接連携により、データ精度を保ちながら制作期間の短縮とミス削減が可能になります。
今後は、Grasshopperを活用したパラメトリックデザイン支援など、設計検討プロセスそのものへの貢献も視野に入れています。
詳細はこちら▶
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Rhino®(ライノセラス)で進化する建築設計― 設計と表現を繋ぐアクアの新規プロジェクトが発足
アクアクリエイティブラボでは、新たに Rhino(ライノセラス)への対応に着手します。これにより、設計段階からのデータ活用や複雑な形状表現への対応力を高め、今後お客様のプロジェクトをこれまで以上にスム
2025.09.26
これらの取り組みはすべて、「ビジュアライゼーション×テクノロジーで、お客様に感動を」というアクアクリエイティブラボのミッションに立ち返りながら進めてきたものです。
設計の場、開発の場、営業の場など、さまざまなフェーズで求められる「伝わるビジュアル」を通じて、お客様の想いや価値を可視化し、ビジネスの成功に貢献することが、私たちの使命だと考えています。
まとめ
本年も多くのご縁とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
2026年も、変化する技術や表現手法を前向きに取り入れながら、挑戦を楽しみ、成長を続けてまいります。そしてこれからも、お客様やパートナーの皆さまと共に、新たな価値と感動を創り出していければと考えています。
どうぞ良いお年をお迎えください。
来年も引き続き、株式会社アクアクリエイティブラボをよろしくお願いいたします。
年末年始休業は以下の通りとなります。
◆年末年始の休業期間:2025年12月27日(土) ~ 2026年1月4日(日)
お問い合わせ先:
東京オフィス、名古屋オフィス
林:t.hayashi@aqua-c-lab.com
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