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2026/6/02

【半導体工場・データセンター建設で設計者が直面する新たな課題】

~「建物を設計する」から「運用を設計する」時代へ~

近年、日本国内では半導体工場やデータセンターの建設計画が相次いでいます。
背景には、生成AIの急速な普及によるデータ処理需要の増加や、経済安全保障(重要物資の安定供給、先端技術の保護、サイバーセキュリティ対策 )の観点から進められている半導体産業の国内回帰があります。
ゼネコン各社にとっても重要な成長分野となっていますが、こうした施設の設計に携わる担当者からは共通した課題が聞かれるようになっています。
それは「建物よりも設備が主役になっている」ということです。

オフィスビルとは全く異なる設計条件

一般的なオフィスビルでは、建築計画が主導となり、設備はそれを支える存在です。
しかし半導体工場やデータセンターでは状況が大きく異なります。
例えば半導体工場では、製造装置、特殊ガス設備、純水設備、排気設備、クリーンルームなどが建物全体の計画を左右します。
またデータセンターでは、サーバーラック、冷却設備、受変電設備、非常用発電設備などが建築計画の中心となります。
設計担当者は建築だけでなく、設備・運用・保守まで見据えた判断を求められるようになっています。

設計レビューで増えている「運用上の問題」

近年の大型施設では、設計図面上は成立しているにもかかわらず、運用段階を想定すると課題が見つかるケースが少なくありません。
例えば、
「大型装置の更新時に搬出経路が確保できない」
「保守点検時の作業スペースが不足している」
「設備が増設された際にメンテナンス動線が確保できない」
といった問題です。

これらは建築設計のミスではありません。
むしろ、運用担当者や設備メーカーの視点が設計レビューに十分反映されなかった結果として発生するケースが多く見られます。
半導体工場やデータセンターでは、完成時がゴールではありません。
10年、20年と運用し続けることを前提に計画されるため、「将来の運用」を設計段階から検証することが重要になります。

鹿島建設:データセンターの高信頼化・冗長化設計

・「データセンター:リスクに強い!高信頼性の確保(設備編)」
設備冗長化、空調設備、電源設備、雷保護、セキュリティなどデータセンター設計の考え方を紹介。
出典: https://www.kajima.co.jp/tech/data_center/quality/facility/index.html

大林組:半導体工場・電子関連生産施設

・「電子関連生産施設の実績」 
 国内外200件超の電子関連生産施設実績、「半導体トータルマネジメント」、ユーティリティ設備まで含めた設計・施工を紹介。
出典:https://www.obayashi.co.jp/solution_technology/facilities/electronic_3.html

BIMだけでは解決できない課題

現在、多くの大型案件ではBIMが活用されています。
BIMによって建築・構造・設備を統合的に管理できるようになり、干渉チェックや設計調整の効率は大きく向上しました。
しかし実際のプロジェクトでは、
「BIMモデルはあるが関係者に伝わらない」という課題も発生しています。
発注者、運営担当者、設備メーカーなど、すべての関係者がBIMを読み解けるわけではありません。
設計担当者が意図する内容を共有するためには、
・どこに課題があるのか
・人がどのように動くのか
・設備をどのように更新するのか
を直感的に理解できる形で伝える必要があります。

① 大林組「デジタルツインアプリ」

現場巡視で見つけた指摘事項・是正指示をデジタルツイン上に付箋(アノテーション)で貼り、写真やファイル、チャットとともに関係者間で共有できる仕組み。「BIMを読み解ける人だけのもの」から「全員が同じ画面で会話できるもの」への転換事例。
出典:https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20230412_2.html

② 清水建設 BIM/CIMクラウド「KOLC+」

発注者を含む関係者全員で情報共有できるシステムとして活用。ある現場では登録者が発注者含め約100名、月平均ログイン約500人という実績で、「全関係者が同じモデルを見ている状態」を数字で示せます。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000081365.html
出典:https://kolcx.com/

ビジュアライゼーションが設計レビューを変える

そこで近年注目されているのが、CGやVRを活用したビジュアライゼーションです。
例えば、設備更新時の搬出入シミュレーション、保守作業時の動線確認、機器交換スペースの検証、将来増設時のレイアウト確認などを三次元空間で可視化することで、図面だけでは発見しにくい課題を早期に抽出できます。
また、発注者や運営担当者も同じ空間イメージを共有できるため、意思決定の迅速化にもつながります。
設計レビューは「図面を確認する場」から、「完成後の運用を体験する場」へと変わりつつあるのです。

①大成建設「T-BIMビューア」(VR連携)

 時間や場所を問わず、マウスやコントローラー等で3次元モデル内を自由に移動しながら設計 案を確認できるビューア。発注者・運営担当者との空間イメージ共有の事例として使えます。
 出典:https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2016/160808_3865.html

②自社サービス:アクアクリエイティブラボ『メタバース会議』(Shapespark)

 素材や家具をその場で切り替えられる「マテリアルピッカー」「スイッチオブジェクト」機 能により、図面やCGを差し替えて打ち合わせを重ねることなく、その場で検討を進め意思決 定を加速できます。遠隔地の関係者も同じ空間に同時ログインできるため、ゼネコン・設計 事務所間の実施設計の細部確認や施工ステップの検討にも有効。

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図面を超えて、体験へ。アクアクリエイティブラボとShapespark で実現するメタバース会議

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これからの設計者に求められる役割

半導体工場やデータセンターの建設需要は今後も拡大が予想されています。
こうした施設では、設計者に求められる役割も変化しています。
単に建物を設計するだけでなく、設備担当者、施工担当者、運営担当者、発注者の視点をつなぎ、共通理解を形成することが重要になっています。
そのためには、図面やBIMに加え、CGやVRなどのビジュアライゼーション技術を活用した新しい設計コミュニケーションが欠かせません。
複雑化するプロジェクトにおいて、「正しく設計すること」と同じくらい「正しく伝えること」が、これからの設計品質を左右する重要な要素となっていくでしょう。

複雑化するプロジェクトだからこそ、「伝わる設計」が重要になる

こうした課題に対し、CGパースやアニメーション、VRといったビジュアライゼーションは、単なるプレゼンテーションツールではなく、設計レビューや意思決定を支援するコミュニケーションツールとして活用される場面が増えています。
アクアクリエイティブラボでは、設計者やデザイナーが思い描く空間や設計意図を、

・CGパース、CGアニメーション
・パノラマVR、VR・MRコンテンツ

などを活用して可視化し、プロジェクト関係者の共通理解形成を支援しています。
さらに、BIMデータを活用した制作フローにも対応し、設計検討からプレゼンテーション、設計レビューまで、プロジェクトのフェーズに応じた最適なビジュアライゼーションを提供しています。
また、コンペや提案段階における訴求力向上だけでなく、受注後の設計業務効率化やレビュー品質向上を目的とした支援も行っています。設計担当者の限られた時間とリソースを補完しながら、プロジェクトの成功に向けたコミュニケーション環境づくりをサポートします。

「正しく設計すること」から「正しく伝えること」へ。

私たちは、ビジュアライゼーションとテクノロジーの力で、設計者のコミュニケーション課題の解決に貢献していきます。
建築や空間が持つ価値を、どのように伝え、どのように理解してもらうかという視点を大切に、CG・映像・ビジュアライゼーションの制作に取り組んでいます。
計画段階の構想整理から、プレゼンテーション、プロモーションまで、空間の魅力を的確に伝える表現手法をご提案しています。ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせ先:
東京オフィス、名古屋オフィス
林:t.hayashi@aqua-c-lab.com

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