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2022/8/03

【オリジナル作品 第2弾 -Viele glanz- by Lumion】Vol.2 フォトリアルについて

前回のVol.1ではオリジナル作品第2弾「Viele glanz(フィーレグランツ)」の作品づくり全体について紹介しましたが、今回はフォトリアル表現にするためLumionのマテリアル設定など試行錯誤した技術的な内容を紹介していきます。

フォトリアル表現の設定

フォトリアルにするためにLumionで工夫や苦労したマテリアル設定、FXエフェクトなどを制作担当者との話を交えながら紹介していきます。

リアルに見せるために全体を通して意識したことは何ですか?

やっぱりライティングとマテリアル設定ですね。
マテリアルなんかは実際のものを画像検索してそれに近づくように調整していったりしました。
ライティングに関しては陰影を大事にしましたね。
せっかく良いマテリアル設定ができてもライティングが良くないと陰影や素材の凹凸感や光沢感が引き出せないですからね。

設定にこだわったところを紹介してください。

ではいくつか紹介します。

和紙

  • 和紙特有の凹凸感を出す為にレリーフを高めに設定しています。(画像:上)
  • レリーフを下げると凹凸がなくなり つるん とした表現になります。(画像:下)

シーツ

  • 高級感のあるシーツを表現するためにグロスと反射を高めに設定し、艶感を出しています。(画像:上)
  • マットな設定にするとライトからのスペキュラー感も無くなりのっぺりします。(画像:下)

FX:ハイパーライトとレンズフレアの効果

  • ハイパーライトON、光の伸びを補ってくれて天井面にも光が回っている。(画像:上)
  • ハイパーライトOFF、全体的に暗くどんよりした感じ。(画像:下)
※但し、ハイパーライトは動画で使用するとノイズが強くでることがあり注意が必要です。今回このシーンでは採用していません。
  • レンズフレアON、DLの光源のライトマテリアルからの光の広がりを補ってくれている。(画像:上)
  • レンズフレアOFF、DLの光の広がりがない。(画像:下)

前回Vol.1で「ラグを意外なマテリアルで応用した」とコメントがありましたが?

そうですね。この毛足のあるラグは3D芝生のマテリアルを応用して設定しています。
赤枠のデフォルトで貼られている芝のテクスチャーを自由に変えることが出来ます。

他に紹介したいことはありますか?

このシーンの木目の設定です。
反射をいれて、エッジで角を丸め風化で汚し、風合いを出しています。

マテリアル設定する際に大体共通していることは、マットな材質でも反射を高めに設定していること、エッジと風化の数値を少し入れていることです。
感覚的なところなのですが、マットな材質を正直にマットな設定のままにしてしまうとCG映えしないような気がしています。
スペキュラー感を出す意味合いで本来マットな材質でも反射値を高めにすることが多いです。
エッジは角を丸めてくれてハイライトが乗ります。
マテリアルが綺麗すぎるなと思う時は風化を入れています。気持ちの問題ですが、どちらも低めに入れるのがポイントですかね。

・作品制作担当:関 、林(名古屋スタジオ  制作1G)
・Blog編集担当:横井(企画営業)

まとめ

今回はフォトリアルな作品にするため、Lumionの制作過程でこだわったところ苦労したところなど設定に関して深掘りして紹介しました。少しでもLumionを使用されている方の参考になれば幸いです。
Lumionは気に入ったエフェクトの組み合わせをエフェクトセット(.lmeファイル)として保存しておけます。今回、試行錯誤した設定も新しいシーンや別のLumionのシーンで、個別に一からエフェクトを調整しなくても、エフェクトセットを読み込むだけで、簡単に適用することができ、限られた時間内で制作しなければならない実業務ではとてもありがたい機能です。
また、Lumion公式サイトのLumion Communityからもマテリアルやエフェクトセットがダウンロードできるので、いろいろなエフェクトを組み合わせて、細かい調整を行うことでその表現の可能性は無限に広がり、弊社でのLumion探求もまだまだ続きます。

次回は「Viele glanz」制作で「演出」について深掘りした話を制作担当者に聞きながら紹介します。
お楽しみに!

Lumion Communityダウンロードサイト

CGパースやCGアニメーションなどのお仕事に関するお問い合わせ先:
岡田(okada@aqua-c-lab.com/080-4582-7616)
横井(yokoi@aqua-c-lab.com/070-1494-6059)

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